睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠中の無呼吸、大きないびき、日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。放置せず、まずは検査で睡眠中の呼吸状態を確認しましょう。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。ご本人は気づきにくく、ご家族からの指摘や日中の眠気をきっかけに見つかることがあります。当院では、いびきや無呼吸の背景にある鼻・のどの状態を耳鼻咽喉科の視点で確認し、必要に応じて検査やCPAP治療につなげます。
いびき、呼吸停止の指摘、日中の眠気、起床時の頭痛、熟睡感のなさ。
鼻づまり、扁桃肥大、のどの狭さなど、空気の通り道を確認します。
検査結果に応じて生活改善、CPAP、マウスピース、手術適応の相談を行います。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」を繰り返す病気です。多くは、眠っている間に舌やのどの周囲の組織が下がり、空気の通り道である上気道が狭くなることで起こります。
医学的には、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を表すAHI(無呼吸低呼吸指数)を用いて評価します。一般的には、AHIが5以上で症状を伴う場合に睡眠時無呼吸症候群と診断され、重症度は検査結果と症状を合わせて判断します。
睡眠時無呼吸症候群は「いびきが大きいだけ」の問題ではありません。
呼吸が止まるたびに体の酸素が下がり、睡眠が細かく分断されるため、日中の眠気、集中力低下、血圧や心臓への負担につながることがあります。
このような症状がある方はご相談ください
睡眠時無呼吸症候群は、ご本人よりもご家族が先に気づくことが少なくありません。次のような症状がある場合は、一度検査を検討しましょう。
眠っている間のサイン
- 大きないびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われた
- 息苦しそうにしている、むせるように起きる
- 寝汗をかく、寝相が悪い
- 夜間に何度もトイレに起きる
起きているときのサイン
- 日中の眠気が強い
- 朝起きたときに頭痛がある
- 熟睡感がない、寝ても疲れが取れない
- 集中力が続かない
- 運転中や会議中に眠くなる
運転中に眠気が出る方は特に注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群による眠気は、交通事故や仕事中の事故につながることがあります。強い眠気がある場合は、早めに医療機関で相談してください。
睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなるか
無呼吸や低呼吸を繰り返すと、睡眠の質が下がるだけでなく、体の酸素が下がり、心臓や血管に負担がかかります。特に中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群では、生活習慣病や心血管疾患との関連が指摘されています。
| 影響が出やすい領域 | 起こりうること | 患者さんが気づきやすいサイン |
|---|---|---|
| 日中の生活 | 眠気、集中力低下、作業効率低下 | 会議中に眠い、運転中に眠い、仕事のミスが増えた |
| 循環器 | 高血圧、心臓への負担、脳卒中や心筋梗塞リスクとの関連 | 血圧が高い、朝の頭痛、動悸が気になる |
| 代謝 | 糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームとの関連 | 健診で血糖・脂質・体重を指摘された |
| 睡眠の質 | 深い睡眠が減り、疲労が抜けにくくなる | 長く寝てもすっきりしない、朝からだるい |
ただし、症状の原因がすべて睡眠時無呼吸症候群とは限りません。眠気や疲れの背景には、睡眠不足、不眠症、内科疾患、薬の影響などが関係することもあります。まずは問診と検査で原因を整理することが大切です。
耳鼻科で確認するポイント
睡眠時無呼吸症候群は、体重や生活習慣だけでなく、鼻・のど・扁桃の大きさなども関係します。耳鼻咽喉科では、空気の通り道を直接確認できることが大きな特徴です。
当院での検査・治療の流れ
睡眠時無呼吸症候群は、症状だけで診断するのではなく、睡眠中の呼吸状態を検査で確認します。検査結果をもとに、治療の必要性や方法を相談します。
問診
いびき、無呼吸の指摘、日中の眠気、起床時の頭痛、夜間頻尿、運転の有無、生活習慣などを確認します。ご家族からの指摘内容も重要な情報です。
鼻・のどの診察
鼻づまり、鼻炎、副鼻腔炎、扁桃肥大、のどの狭さなどを確認します。必要に応じて内視鏡などを用い、見える形で説明します。
睡眠検査
必要と判断した場合、ご自宅で行う簡易検査などで、睡眠中の呼吸状態や酸素の下がり方を確認します。検査方法は症状や状況に応じてご案内します。
結果説明
AHI、酸素飽和度、症状の強さ、生活への影響を合わせて説明します。軽症・中等症・重症の目安や、治療が必要かどうかを一緒に確認します。
治療方針の相談
CPAP治療、鼻炎・鼻づまりの治療、マウスピースや手術が必要な場合の紹介先など、患者さんの状況に合わせて相談します。
睡眠時無呼吸症候群の主な治療方法
CPAP治療
CPAP(シーパップ)は、睡眠中に鼻や口のマスクを装着し、空気の圧で気道がふさがらないようにする治療です。中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群で、標準的に行われる治療のひとつです。
CPAPは、機械を購入する治療ではなく、保険診療では医療機関から機器を貸与し、定期的に使用状況や症状を確認しながら継続します。保険適用の可否は、検査結果、症状、診療報酬上の基準をもとに医師が判断します。
CPAPは「つけて終わり」ではありません。
マスクの違和感、空気の漏れ、鼻づまり、乾燥などで続けにくいことがあります。治療効果を出すためには、使用状況を確認しながら、マスクや圧設定、鼻の治療を調整していくことが大切です。
鼻炎・鼻づまりの治療
鼻づまりがあると、いびきが悪化したり、CPAPのマスクが使いにくくなったりすることがあります。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性的な鼻づまりがある方は、鼻の治療を並行して行うことがあります。
生活習慣の見直し
体重増加、飲酒、睡眠不足、仰向け寝などは、いびきや無呼吸を悪化させることがあります。減量、飲酒量の調整、寝る姿勢の工夫、規則的な睡眠などが役立つ場合があります。ただし、生活改善だけで十分かどうかは重症度によって異なります。
マウスピース治療
軽症から一部の中等症では、下あごを少し前に出して気道を広げるマウスピースが選択肢になることがあります。作製は歯科・口腔外科領域で行われるため、必要に応じて対応可能な医療機関をご案内します。
手術が検討される場合
扁桃肥大、アデノイド肥大、鼻の構造的な問題などが強く関係している場合、手術が選択肢になることがあります。当院で対応していない手術が必要と考えられる場合は、適切な医療機関への紹介を検討します。
いびき・無呼吸を指摘された方はご相談ください
睡眠時無呼吸症候群は、ご本人が気づきにくい病気です。ご家族から「息が止まっている」「いびきが大きい」と言われた方、日中の眠気が強い方は、まずは検査が必要かどうかをご相談ください。
子どものいびき・睡眠時無呼吸にも注意が必要です
子どものいびきや睡眠中の無呼吸は、アデノイド肥大、扁桃肥大、アレルギー性鼻炎、鼻づまりなどが関係していることがあります。大人と違い、日中の眠気ではなく、落ち着きのなさ、集中しにくさ、寝起きの悪さ、口呼吸などで気づかれることもあります。
毎晩のように大きないびきがある、呼吸が止まる、苦しそうに寝ている、口呼吸が続く場合は、小児耳鼻咽喉科で鼻とのどの状態を確認しましょう。手術が必要と考えられる場合は、対応可能な医療機関と連携します。
受診先に迷ったときの目安
| 状況 | 相談先の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| いびき・無呼吸を指摘された | 耳鼻咽喉科、睡眠医療を扱う医療機関 | 鼻・のどの状態と睡眠検査の必要性を確認します。 |
| 鼻づまりが強く、口呼吸やいびきがある | 耳鼻咽喉科 | 鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲などを確認できます。 |
| 高血圧、心疾患、糖尿病などがある | かかりつけ内科と連携 | 全身疾患との関係も踏まえた管理が必要です。 |
| 子どもの毎晩のいびき・口呼吸 | 小児耳鼻咽喉科 | 扁桃肥大、アデノイド、鼻炎などを確認します。 |
| 強い胸痛、意識障害、急な息苦しさがある | 救急受診 | 睡眠時無呼吸以外の緊急疾患の可能性があります。 |
よくある質問
睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すればよいですか?
いびき、無呼吸、鼻づまり、のどの狭さが気になる場合は耳鼻咽喉科で相談できます。高血圧、心疾患、糖尿病などがある方は、内科や循環器内科と連携しながら診療することもあります。
いびきが大きいだけでも受診した方がよいですか?
毎晩のように大きないびきがある場合や、ご家族から呼吸停止を指摘される場合は、検査を検討してよいサインです。単なるいびきか、睡眠時無呼吸症候群を伴ういびきかは検査で確認します。
家族に「寝ている間に息が止まっている」と言われました。すぐ受診すべきですか?
早めの受診をおすすめします。睡眠時無呼吸症候群は本人が気づきにくく、ご家族の指摘が診断のきっかけになることが多い病気です。日中の眠気、朝の頭痛、高血圧がある場合は特に相談してください。
睡眠時無呼吸症候群の検査は入院が必要ですか?
まずはご自宅で行う簡易検査を行います。検査結果や症状によっては、より詳しい睡眠ポリグラフ検査が必要になる場合があります。当院では入院しない在宅での検査も取り扱っております。
CPAP治療は誰でも受けられますか?
CPAP治療は、検査結果、症状、保険診療上の基準を満たすかどうかを確認して開始します。いびきだけで自動的に始める治療ではありません。まずは睡眠中の呼吸状態を検査で確認します。
CPAPは一生続ける必要がありますか?
必要な期間は患者さんによって異なります。体重変化、鼻づまりの改善、手術、マウスピース治療などで状態が変わることもあります。自己判断で中止せず、検査結果や使用状況を見ながら医師と相談しましょう。
CPAPが苦しくて続けられるか不安です。
最初はマスクの違和感、空気漏れ、鼻の乾燥、鼻づまりなどで使いにくいことがあります。マスクの種類、装着方法、加湿、鼻炎治療などを調整することで続けやすくなる場合があります。
マウスピースで治療できますか?
軽症から一部の中等症では、マウスピースが選択肢になることがあります。歯科・口腔外科で作製する治療のため、適応がある場合は対応可能な医療機関をご案内します。
鼻づまりはいびきや無呼吸と関係ありますか?
関係することがあります。鼻づまりがあると口呼吸になり、いびきが悪化したり、CPAPが使いにくくなったりします。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎がある方は、鼻の治療も大切です。
肥満ではなくても睡眠時無呼吸症候群になりますか?
なります。肥満は重要な要因のひとつですが、あごが小さい、扁桃が大きい、鼻づまりがある、のどが狭いなど、体型以外の要因でも起こります。
子どものいびきも相談できますか?
相談できます。子どものいびきや無呼吸では、アデノイド肥大、扁桃肥大、鼻炎などが関係することがあります。毎晩のいびき、口呼吸、苦しそうな寝方がある場合は、小児耳鼻咽喉科で確認しましょう。
睡眠中の呼吸が気になる方へ
睡眠時無呼吸症候群は、検査をして初めて重症度がわかる病気です。気になる症状がある方は、無理に様子を見続けずご相談ください。
WEB予約はこちら池袋・北池袋で睡眠時無呼吸症候群の相談なら
池袋ながとも耳鼻咽喉科は、北池袋駅徒歩2分、JR板橋駅徒歩7分の耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科です。睡眠時無呼吸症候群の症状でお困りの方はご相談ください。

