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舌下免疫療法(スギ花粉・ダニ)について

舌下免疫療法とは?

アレルギーの原因となる抗原を繰り返し投与することで、その抗原に対する感受性を低下させる治療のことを『アレルゲン免疫療法』といい、そのお薬を舌下に投与することが可能になったものを『舌下免疫療法』といいます。

舌下免疫療法は、スギ花粉エキスやダニの抗原を毎日少しずつ体内に吸収させることによって、アレルギーの症状(鼻汁、くしゃみ、目のかゆみなど)を抑える治療法です。
アレルギーの症状は、例えばスギやダニに対するアレルギーを持った人がアレルゲンであるスギやダニに接触すると、体がスギやダニを外的と認識して排除しようとして鼻汁やくしゃみ、涙を出します。これがアレルギー反応です。舌下免疫療法では、体に対してスギやダニが敵ではないことを毎日毎日少しずつ教えていく治療だと考えてください。(厳密なところまでは明らかになっていません)

舌下免疫療法の特徴

従来行われてきたアレルゲン免疫療法は、皮下投与法(アレルゲンを皮膚に注射する)で行われていたために頻回な通院が必要な治療でした。舌下免疫療法は、医師の指導のもと初回以降は自宅で投与が可能で、安全性も高く一定の効果が報告されている治療です。

  • 薬剤投与時の痛みがない
  • 通院回数が皮下投与法よりも少ない
  • 治療を継続しやすい

舌下免疫療法はどんな治療?

アレルギーの原因となるもの(アレルゲン)を少量ずつ投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。今までのアレルギー治療は対症療法でしたが根治が期待できる治療です。

どんなアレルギーに有効か?

現在は、スギ花粉とダニに対するお薬があります。それ以外のアレルギーに対する舌下免疫療法はありません。(理論上は、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどほかの花粉には効果は期待できません。しかし、最近ではスギの舌下免疫療法を行うと、ヒノキの花粉症状も抑えられるのではないかという論文が出てきております)

スギ花粉症

 シダキュア(鳥居薬品) 

ダニアレルギー

 アシテア(塩野義製薬)
 ミティキュア(鳥居薬品) 

費用は?

治療はすべて保険診療です。

  • 初回は保険適用(3割負担の場合) 4,000~5,000円ほど
  • 2回目以降 1か月あたり2,000~3,000円ほど(診察代と薬局での薬代とを合わせて)

効果は確実にあるのか?

80-90%程度の人に効果があるとされています。正しく治療が行われると、スギ花粉症の舌下免疫療法では、治療開始後の初めてのスギ花粉飛散シーズンから、ダニに対する舌下免疫療法では、治療を開始して数か月から効果が期待されます。
年単位で継続することで最大の効果が得られると考えられます。
3年間治療を行っても効果が出ない方も10~20%ほどいらっしゃいます。まず1年間治療してみて、その効果が感じられないときには医師と相談が必要になります

何歳から可能か?また誰でもできるのか?

5歳から可能ですが治療に対する理解に個人差が大きい年齢です。7歳くらいからはだいたいどの子でもできるようになると思います。

具体的には以下の項目が守れるような方であれば可能です。

  • 薬を1分間舌下においていられる
  • その後、5分間飲食しない
  • 服用後2時間は激しい運動は避ける

また、以下に該当する方は危険性があるため治療することができません。

  • 重症気管支喘息の方
    喘息発作を誘発するまたは重症化するおそれがあるため、治療対象になりません。
  • 妊婦の方、授乳中の方
    妊娠中、授乳中の投与に関する安全性は確立していません。
    妊娠中の治療導入はできませんが、舌下免疫療法中に妊娠した場合でも治療を継続することができます。
    また、授乳中の婦人には投与しないことが望ましいですが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせることが必要です。
  • 抜歯や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
    歯科治療で口腔内に傷ができている場合や、ひどい口内炎の場合、傷口から薬の吸収率が上がってしまうため、薬を使用することができません。
  • 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
    全身性ステロイド薬の投与により、免疫系が抑制され治療薬が効きづらくなるため、対象になりません。

治療を途中でやめてしまうデメリットはあるか?

途中でやめてしまうと、効果が中途半端になります。それ以外のデメリットは特にありません。

治療期間と通院間隔について

治療開始初回は2週間後、副作用なく安全に治療で来ていることが確認された場合は、月1回の通院となります。

いつでも開始できるのか?

スギ花粉に対する治療の場合は、花粉飛散期には開始できませんので、6~12月に開始します。
ダニアレルギーの場合はいつでも開始することができます。

治療を始める前に必要な検査は?

何らかの血液検査で、該当するアレルギーがあることを確認する必要があります。検査は治療開始前に当院で施行させていただきます。(他院のデータがある場合はお持ちいただければそれで開始可能です)

治療の副作用は?

アレルゲンを投与することから、アレルギー反応が起こる可能性があり、まれに重篤な症状が発現する可能性があります。そのため1回目のスギ花粉のエキスを置くのはクリニックで医師が行い、置いた後30分はクリニックの中で過ごしていただき、副作用が起こらないか確認する必要があります。

よく起こる副作用は、口腔内や唇の腫れ・かゆみです。
抗アレルギー剤を内服することで、1日で治ることがほとんどです。

ダニの舌下免疫療法は、ダニを使った治療ですので、一時的にくしゃみ、鼻みずなどのアレルギー症状が増悪します。 これらの症状は、治療開始直後に多く、治療開始から1ヵ月程度までに集中します。 スギ花粉症の舌下免疫療法よりも高率で、強くおこります

アナフィラキシー、ショックにより血圧低下、呼吸困難、全身紅潮、顔面浮腫・咽頭浮腫等の血管浮腫、蕁麻疹、喘息等が起こる可能性があり 、その時には大きな病院での緊急治療が必要になります。ただ今まで日本国内でアナフィラキシーが起こったとの報告はありません。

治療中に花粉症の症状が出た場合の対応は?

いわゆる抗アレルギー薬や点鼻薬を通常通りご使用いただけます。

当院での舌下免疫療法の流れ

  1. 問診、舌下免疫療法の説明、アレルギー検査(過去の検査データがあれば不要)をします。
  2. 検査結果確認後、2週間分の薬を処方します。初回は院内で投与し、30分間院内で経過観察しますので、初回は1時間くらいはかかります。
  3. 2週間後再診していただきます。服用状況、副作用を確認し、問題なければ1か月分処方します
  4. 以後、1か月ごとに受診していただき、効果、服用状況、副作用を確認していきます。

スギとダニの舌下免疫療法を同時に行うことは可能か?

片方から始めて結果的に同時に治療していくことは可能です。全く同時に開始することはできません。同時に内服を開始して副作用が出た場合、 どちらの薬が原因か判断できないため、 最初の薬を開始して3ヶ月を過ぎてから、 もう一方の治療を開始することをお勧めしています。

  1. 飲み始め~1ヶ月まで
    最初の1ヶ月の間は、新たに使用する薬を朝に服用、 以前から使用していた薬を夕方に服用して下さい。
    副作用が出た場合、どちらの薬によるものかを分かりやすくするため、 また朝飲むことで、2種類目の薬の副作用に対応しやすくするためです。

  2. 1ヶ月め以降
    2種類目の薬を開始して1ヶ月以上経過すれば、2種類の薬を同じ時間帯に内服しても大丈夫です。
    ミティキュアとシダキュアどちらから飲んでも大丈夫ですが、 1つ目の薬を飲んだ後、1分以上あけて、2つ目の薬を内服して下さい。

鳥居薬品の専門サイト

以下のリンク先に舌下免疫療法について詳しく書かれていますのでご参考にしてください。

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