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副鼻腔CTについて

低被爆CT(コーンビームCT)

当院では、耳鼻科領域専用のコーンビームCTを導入しています。コーンビームCTとは耳鼻咽喉科や歯科領域に特化したもので、①低被ばくで ②空間分解能が非常に高いという特徴があります。
CTは非常に安全性が高く、患者様がご自身の状態を理解していただくためにも重要な検査であることに間違いはありませんが、検査費用も3割負担で約3500円程度と決して安価ではありません。医師が診断や治療に必要と判断する場合のみに患者様とご相談して施行しています。
当院のCT機械は単純レントゲン撮影も可能ですので、単純レントゲンで全体的な病変が把握出来ればそれで充分な場合は原則としてお勧めいたしません。
慢性副鼻腔炎や慢性中耳炎という病気は、長い間病気に悩まされ、また最新の治療を施行してもある程度の治療期間がかかることも少なくありません。病気が良くなっているのか、薬で治るのか、手術が必要なのかなど、ご自身の病気に対して多くの疑問をお持ちのことと思います。 
CT検査では病気がどこの場所にどの程度の状態であるかが、目で見えてはっきりわかるため、ご自身の病気への理解が深まり、治療への意欲が上がり安心につながることも多いのが現状で、患者様にとって大きなメリットがある検査です。

コーンビームCT画像

 
一般的な単純レントゲン画像

      検査の流れ(動画)


コーンビームCTとは

マルチスライス CT と比べ安価でありスペースもさほど必要とせず, 診療所への CT 導入を現実のものとした画期的診断機器です。コーンビームCTでは0.1mmとより細かく撮影することが可能で、副鼻腔や中耳の耳小骨など、微細な診断が必要な耳鼻咽喉科の疾患の診断に特に優れています。

立体断層(スライス)撮影が可能で、その精密な立体画像から難治性の鼻閉(鼻づまり)、後鼻漏、副鼻腔炎、中耳炎、難聴などの診断に有用です。
また、その精密さから非常に小さい耳小骨を抽出することも可能です。

CTの特長

1.検査時間が短い

全身をくまなく調べるヘリカルCTと比べ、検査時間はごく短く、撮影時間は30秒程、検査全体で2分で完了します。撮影後すぐに画像構成ができるので、受診した日に撮影し、診断、説明をすぐ受けられ、早期の治療開始が可能です。

2.被曝量が少ない

CTと聞くと、X線被曝が最も心配になると思います。特にお子様の場合は撮影して良いものかと考えてしまいますよね。しかし、耳鼻科CTは撮影時間も短く被曝も下図のようにほとんど心配しなくて良いレベルですので安心して検査を受けることができます。
実際の被ばく線量ですが、一般のCTに比べて約24分の1、よく健康診断で撮影する胸部レントゲン写真よりも低被曝であり、これは東京ニューヨーク間を飛行機で往復した時の累積の放射線被ばく線量よりも低いのです。
国際放射線防護委員会(ICRP)では年間の放射線の被ばく量は、年間約1mSv以下が理想であると勧告しています。

 

3.中耳や副鼻腔の撮影

鼻や耳はいくつかの骨と軟骨で形成されています。副鼻腔は骨で囲まれた空洞であり、その空洞にある粘膜に炎症を起こすことで副鼻腔炎が発症します。耳においても鼓室や乳突洞といった中耳炎に深く関わる部分はやはり骨で囲まれた空洞から形成されています。音を伝えるしくみを持つ耳小骨という小さな3つの骨(人体で最も小さな骨です)も中耳の中にあります。 
このように、鼻と耳は骨と粘膜で囲まれた空洞で形成されており、鼻と耳の病気の多くが骨または粘膜の状態が原因で起こります。
骨と粘膜を数㎜単位で鮮明に描出するCTは耳と鼻の病気に対しては極めて有用であり、診断において絶大な威力を発揮します。

 

4.撮影費用が比較的安い

CTの撮影費用は3,500円程度(3割負担の場合)です。決してお安くはありませんが、総合病院を紹介しCTを依頼する場合は、紹介状など諸費用込みでさらに高額となってしまいます。大きな病院に紹介するような疾患が見つかってしまった場合は、二度手間になってしまうかもしれませんが、時間・費用の浪費を考えるとクリニックで手早く撮影する方がよりパフォーマンスが良いと考えています。
また、当院のCT検査機械では単純レントゲン撮影(3割負担で700円程度)も可能ですので、患者さまの症状に合わせて検査法を選択することにしています。

5.CTを行う意義

内視鏡検査は非常に有用な検査ですが、副鼻腔炎の診断力はCTに劣ります。また、レントゲンでは副鼻腔の状態を詳細に確認できないため、診断率は60%程度とされています。鼻の腫瘍や真菌症(カビ)などはCTなしではさらに診断が困難です。私が大学病院で長らく癌の診療に携わる中で、発見診断が遅れた鼻、副鼻腔癌の方を多く診てきました。最初に症状が出て受診するのはクリニックです。適切な診断と適切な治療への誘導を行うことこそが患者様にファーストタッチするクリニックの使命と考えているため、CTを導入した次第です。

よくある質問

Q:子供でも受けられますか?

A:撮影時間の間(30秒程度)、部屋の中でじっとしていられれば受けられます。被曝量に関しても上述した通りで気にしなくても大丈夫な程度です。

Q:妊娠していても大丈夫ですか?

A:大丈夫です。胎児への影響が予想されるのは50mSVからです。耳鼻科CT1回で0.04mSVです。加えて、耳鼻科で撮影する範囲は首から上の部分です。このため実際に被曝するのは首から上の部分だけです。胴体部分は防護エプロンを着用した状態でレントゲン撮影を行うため、赤ちゃんへの被爆はほとんどありません。

Q:体調が悪くても受けられますか?

A:体調が悪くても検査に支障はありません。

Q:検査の前に準備することはありますか?

A:特にありません。

Q:結果はいつ分かりますか?

A:即日結果をご説明いたします

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