上咽頭炎とは?症状や診断方法・治し方などを解説
上咽頭炎・慢性上咽頭炎とは?
後鼻漏、のどの違和感、Bスポット療法(EAT治療)まで専門医が解説
「のどの奥がずっと痛い」「鼻水がのどに落ちる」「風邪のあとから咳や痰が続く」。その不調は、口を開けただけでは見えない鼻の奥の炎症、上咽頭炎が関係しているかもしれません。当院では内視鏡で上咽頭を確認し、必要に応じてBスポット療法(EAT治療・上咽頭擦過療法)まで一貫して行います。
- 内視鏡で確認見えにくい上咽頭をファイバーで評価
- EAT治療に対応慢性上咽頭炎、後鼻漏などを相談可能
- 北池袋駅徒歩2分板橋駅からも徒歩圏内の耳鼻咽喉科
このような症状が続く方は、上咽頭炎・慢性上咽頭炎の可能性があります
- のどの奥の違和感イガイガ、ヒリヒリ、異物感が続く
- 後鼻漏鼻水がのどに流れ、痰がからむ
- 長引く咳・痰風邪後に咳払いや痰が残る
- 声のかすれ声が出しづらい、喉が乾く
- 鼻の奥の痛みのどちんこの裏あたりが痛い感覚
- 頭痛・首こり上咽頭の炎症が関連痛として出ることも
- 倦怠感・めまい自律神経の不調と関連する可能性
- コロナ後の不調感染後に症状が長引く場合の相談
上咽頭は通常の診察では見えにくい場所です。セルフチェックだけで確定はできないため、症状が続く場合は耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けることが重要です。
このページでわかること
上咽頭炎とは、鼻の奥にある「上咽頭」に炎症が起こる状態です
上咽頭は、鼻腔のいちばん奥、鼻とのどの境目にある部位です。空気が最初に通る場所であり、ウイルスや細菌、ほこり、乾燥、アレルギー、胃酸逆流などの刺激を受けやすい場所でもあります。
上咽頭は口を開けても見えません。そのため「のどが痛いのに、口の中はあまり赤くない」と言われる場合でも、実際には上咽頭に炎症があることがあります。特に慢性上咽頭炎では、後鼻漏、咽頭違和感、咳、痰、頭痛、首こり、倦怠感など多彩な症状につながることがあります。
上咽頭には、粘膜に覆われた咽頭扁桃という組織が存在します。幼少期にはアデノイドとして知られ、呼吸器や口腔内へ入ってくる細菌・ウイルスなどの侵入を防ぐ免疫器官として働きます。アデノイドは10歳を過ぎると急速に縮小し、思春期頃には消失する方が多いですが、大人になっても肥大や遺残がみられる方もいます。
つまり上咽頭は、単なる空気の通り道ではなく、鼻から入った外気を整え、異物を受け止め、体を守るために常に働いている場所です。そのため健康な方でも軽い炎症を認めることがあり、「生理的炎症部位」と表現されることもあります。一方で、刺激を受け続けると炎症が長引き、慢性上咽頭炎として症状が残りやすくなります。
感染防御の最前線
鼻から入ったウイルス、細菌、花粉、ほこりなどは、最初に上咽頭の粘膜に触れます。免疫組織が豊富なため、体内への侵入を防ぐ反応が起こりやすい場所です。
空気を整える通路
上咽頭は鼻腔と咽頭をつなぐ重要な通路です。空気の浄化、加湿、温度調節などにも関わっており、乾燥や刺激を受けると症状が出やすくなります。
症状が見逃されやすい部位
上咽頭は口から直接見えないため、一般的な「のどの診察」だけでは炎症に気づきにくいことがあります。長引く違和感では内視鏡での確認が重要です。
上咽頭炎が起こりやすい主な原因
ウイルス・細菌感染
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染などをきっかけに、上咽頭に炎症が起こります。発熱、咽頭痛、咳、倦怠感を伴うことがあり、細菌感染や副鼻腔炎を合併する場合は抗菌薬を検討します。新型コロナウイルス感染が疑われる場合は、抗原検査やPCR検査で確認します。
アレルギー・鼻炎・副鼻腔炎
花粉、ハウスダスト、カビ、ペットなどへのアレルギー反応で鼻粘膜の炎症が続くと、上咽頭にも刺激が加わります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による分泌物がのどに落ちる後鼻漏も、慢性上咽頭炎の悪化要因になります。
乾燥・口呼吸・喫煙
乾燥した空気、低温、空気汚染、タバコや電子タバコの煙は、上咽頭の粘膜を直接刺激します。口呼吸が多い方は鼻で空気を加湿できないため、粘膜の防御機能が落ち、炎症が続きやすくなります。声をよく使う方も負担が重なることがあります。
胃酸逆流
逆流性食道炎や咽喉頭逆流症では、就寝中などに胃酸や消化液がのどの奥まで上がり、上咽頭や咽喉頭の粘膜を刺激することがあります。胸やけがなくても、朝ののどの違和感、声がれ、咳として現れることがあります。
疲労・ストレス
慢性的なストレス、過労、睡眠不足、栄養バランスの乱れは、免疫の働きを低下させます。感染後の炎症が治りにくくなったり、上咽頭炎を繰り返したりする背景になるため、生活背景も含めた評価が大切です。
感染後の炎症残存
急性炎症が治ったあとも、上咽頭のうっ血や粘膜炎症だけが残ることがあります。風邪は治ったはずなのに、のどの奥の痛み、後鼻漏、咳払い、痰、頭重感が1か月以上続く場合は慢性上咽頭炎を疑います。
急性上咽頭炎と慢性上咽頭炎の違い
風邪に近い経過で起こる、鼻の奥の急な炎症
- 鼻の奥やのどの奥が痛い
- 痰、咳、発熱、倦怠感を伴うことがある
- 副鼻腔炎による膿性の後鼻漏で悪化することがある
- 多くは数日から1〜2週間程度で改善する
1か月以上、違和感や後鼻漏などが続く状態
- 薬を飲んでものどの違和感が残る
- 後鼻漏、咳、痰、声のかすれが続く
- 頭痛、首こり、肩こり、倦怠感と関連することがある
- Bスポット療法(EAT治療)が選択肢になる
慢性上咽頭炎でみられやすい症状
慢性上咽頭炎では、鼻やのどの症状だけでなく、頭痛、首こり、肩こり、倦怠感などを伴うことがあります。症状が多彩なため、風邪、アレルギー、逆流、ストレスによる不調と見分けがつきにくい場合があります。
- のどの痛み・違和感
- 鼻やのどの乾燥感
- 咳・痰・咳払い
- 鼻水がのどに落ちる後鼻漏
- 頭痛・首こり・肩こり
- 倦怠感・微熱感
- めまい・耳鳴り
- 声のかすれ
慢性上咽頭炎が全身の不調と関係することがあります
上咽頭は免疫組織、神経、血管、リンパの流れが集まる場所です。そのため炎症が長く続くと、のどや鼻だけでなく、全身のだるさ、頭痛、首こり、肩こり、めまい、集中力の低下などと関連していると考えられることがあります。
免疫反応の持続
上咽頭の慢性的な炎症により免疫反応が続くと、倦怠感、微熱感、体調不良が長引くことがあります。感染後にすっきりしない状態が続く場合もあります。
自律神経への影響
上咽頭の周囲には神経が多く、慢性的な刺激が頭痛、首こり、肩こり、めまい、自律神経症状と関連することがあります。
血流・リンパの影響
上咽頭には血管やリンパ組織が豊富です。炎症によるうっ血や循環の乱れが、重だるさ、むくみ感、全身の不調として感じられることがあります。
後鼻漏と上咽頭炎は、互いに悪循環をつくることがあります
後鼻漏とは、鼻水が前に出ず、のどの方へ流れ落ちる状態です。上咽頭に分泌物が付着すると炎症が起こりやすくなり、炎症によってさらに痰や粘液が増えることがあります。
「鼻水がのどに落ちる」「痰がからむ」「咳払いが増える」「寝起きにのどが気持ち悪い」という方は、鼻炎・副鼻腔炎だけでなく上咽頭の状態も確認することが大切です。
後鼻漏の詳しい解説を見る後鼻漏で受診をおすすめするサイン
- 鼻水がのどに流れる感じが2週間以上続く
- 痰が絡んで咳払いが増えている
- 市販薬やうがいで改善しない
- 副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎を繰り返している
- のどの違和感や声のかすれもある
上咽頭炎の診断には、耳鼻咽喉科での内視鏡検査が重要です
セルフチェックだけでは判断が難しい理由
上咽頭は鼻の奥にあるため、鏡で見たり、口を開けて確認したりすることができません。慢性上咽頭炎では内視鏡で一見わかりにくい場合もあるため、症状、鼻・副鼻腔や咽喉頭の状態、上咽頭の所見を総合的に判断します。副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、逆流性食道炎、喉頭疾患など、似た症状を起こす病気を見分けることも大切です。
慢性上咽頭炎を疑うポイント
- 1か月以上、のどの違和感や後鼻漏などが続く
- 薬物療法だけでは症状が改善しにくい
- 鼻・副鼻腔、中咽頭、喉頭などに別の明らかな原因がない
- 上咽頭の炎症所見や擦過時の出血・痛みがある
当院では必要に応じてNBI観察を含む内視鏡検査で上咽頭を確認します。見えない場所をきちんと見て判断することが、慢性上咽頭炎の診療では大切です。
上咽頭炎の治療は、原因に合わせた治療とEAT治療を組み合わせて考えます
上咽頭炎の治療では、まず炎症が起こっている原因を確認します。感染、アレルギー、後鼻漏、副鼻腔炎、乾燥、胃酸逆流、生活習慣などが関係している場合、それぞれに合わせた治療を行います。慢性上咽頭炎では、薬物療法だけで十分に改善しない場合にBスポット療法(EAT治療)を検討します。
抗菌薬
細菌感染や副鼻腔炎が疑われる場合に使用します。ウイルス性の風邪では抗菌薬が不要なこともあるため、症状や内視鏡所見を確認して判断します。
抗アレルギー薬・点鼻薬
アレルギー性鼻炎、花粉症、鼻閉、くしゃみ、後鼻漏が関係している場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などで鼻炎をコントロールします。
去痰薬・粘液調整薬
痰がからむ、後鼻漏が多い、のどに粘液が張りつく場合は、分泌物を出しやすくする薬を使うことがあります。
胃酸を抑える薬
胃酸逆流や咽喉頭逆流が疑われる場合は、胃酸分泌を抑える薬や生活習慣の見直しを組み合わせます。
漢方薬
体質や症状に応じて、補中益気湯、小柴胡湯加桔梗石膏などを検討することがあります。倦怠感や炎症の長引き方も含めて判断します。
Bスポット療法・EAT治療
慢性的に炎症が残っている上咽頭へ、薬剤を塗布して擦過する治療です。炎症部位へ直接アプローチできる点が特徴です。
Bスポット療法(EAT治療・上咽頭擦過療法)とは
Bスポット療法(EAT治療)は、炎症を起こしている上咽頭に塩化亜鉛などを塗布し、綿棒で擦過する治療です。慢性上咽頭炎では内服薬だけで十分に改善しないこともあり、炎症部位へ直接アプローチする治療として行われます。
炎症が強い場合、治療時にしみる痛みや出血を認めることがあります。治療後数時間は痛みが残ることがありますが、その後に後鼻漏、のどの違和感、頭痛などが軽くなる方もいます。
当院のEAT治療の特徴
- 全例で内視鏡下に上咽頭を確認
- 炎症部位を見ながら薬剤を塗布・擦過
- 患者様にも画像で状態を説明
- 症状や痛みに合わせて薬剤濃度や施行方法を調整
一般的なBスポット療法は直視しない状態で行われることもありますが、当院では内視鏡で確認しながら行います。
治療回数の目安
急性上咽頭炎では1回で軽快する場合もあります。慢性上咽頭炎では週1〜2回、10〜15回程度を目安に治療することがあります。
費用の目安
保険適用です。初回は内視鏡検査などを含め3,000〜4,000円程度、2回目以降は500円前後が目安です。内視鏡評価を行う回は費用が変わります。
注意点
痛み、出血、治療後の違和感が出ることがあります。症状や上咽頭の状態を確認し、適応を判断したうえで治療します。
受診から治療までの流れ
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問診
のどの違和感、後鼻漏、咳、痰、頭痛、倦怠感など、症状の期間やきっかけを確認します。
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内視鏡検査
鼻・副鼻腔、咽頭、喉頭、上咽頭の状態を確認し、他の疾患が隠れていないかを評価します。
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治療方針の説明
急性炎症、アレルギー、副鼻腔炎、胃酸逆流、慢性上咽頭炎など、原因に合わせて治療を提案します。
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Bスポット療法(EAT治療)
適応がある場合、内視鏡で確認しながら上咽頭へ薬剤を塗布・擦過します。
上咽頭炎を悪化させないための日常生活のポイント
鼻うがい
鼻や上咽頭に付着したアレルゲン、ウイルス、分泌物を洗い流す目的で役立ちます。水道水をそのまま使わず、生理食塩水に近い濃度で正しい方法を守ることが大切です。
加湿と水分補給
乾燥は粘膜の防御力を下げ、痛みや違和感を悪化させます。室内湿度は40〜60%を目安にし、マスク、加湿器、こまめな水分補給、口呼吸対策を意識しましょう。
睡眠と休養
睡眠不足や疲労が続くと免疫の働きが低下し、炎症が長引きやすくなります。慢性上咽頭炎を繰り返す方は、治療と同じくらい休養の確保も重要です。
栄養バランス
粘膜の修復にはたんぱく質、ビタミン、ミネラルが必要です。食事が偏っている場合は、炎症が治りにくい背景になっていることがあります。
禁煙
タバコの煙は上咽頭粘膜への強い刺激になります。慢性上咽頭炎では禁煙が重要です。
胃酸逆流対策
就寝直前の食事を避ける、食後すぐ横にならない、食べ過ぎや脂っこい食事、飲酒を控える、枕を少し高くするなどが役立つことがあります。
ストレス管理
ストレスは自律神経や免疫のバランスに影響します。首や肩のこり、頭痛、倦怠感を伴う方は、無理のない運動や入浴、休息も取り入れましょう。
アレルギー治療
花粉症やアレルギー性鼻炎がある場合、鼻炎のコントロールが後鼻漏や炎症の改善につながります。
上咽頭炎・慢性上咽頭炎・Bスポット療法に関するよくある質問
長引くのどの違和感、後鼻漏、慢性上咽頭炎の相談はお早めに
上咽頭炎は見えにくい場所の炎症だからこそ、内視鏡で確認することが大切です。池袋・板橋周辺でBスポット療法(EAT治療)をご希望の方もご相談ください。
医院情報
本ページは一般的な医療情報の提供を目的としています。症状や治療の適応は個人差がありますので、実際の診断・治療については医師の診察を受けてください。
