インフルエンザ
インフルエンザとは
インフルエンザは、発熱・全身倦怠感・筋肉痛・のどの痛みなどの症状が出る、いわゆる風邪とは原因となるウイルスが異なる感染症です。
インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3種類に大別され、毎年冬に流行し、非常に強い感染力があります。問題となるのは主に、A型とB型です。
インフルエンザの潜伏期間は概ね1~5日で、2~3日程度(長い方は1週間程度)の高熱が続きます。
多くの場合は、1~2週間で軽快しますが、抵抗力の弱い方は重症化することがあります。
マスク着用が常習化したここ2年での流行はほとんどありませんでしたが、日本感染症学会および日本ワクチン学会の見解では、2022-2023年シーズンはインフルエンザ流行の可能性が大きいと予測しています。
東京都でもすでにインフルエンザの発生が観測されています。
インフルエンザについては、以下の厚生労働省のページに詳しく記載されています。
インフルエンザの予防接種について
インフルエンザ予防の基本はワクチン接種を受けることです。 もちろん、ワクチンを接種したら絶対にインフルエンザにかからないという事ではありませんが、万が一インフルエンザにかかってしまった場合に重症化を防ぐことにも繋がります。
インフルエンザは、例年通常は冬の始まりから春先にかけて毎年流行します。ワクチンが効果を発揮するのは接種して2~3週間後から約5ヶ月間だと言われているため、接種時期は10月上旬~12月末が良いとされています。 成人の場合は基本的には1回の接種で効果が得られます。
生後6か月以上で12歳まで(13歳未満)では2回ずつ接種します。1回目の接種後、およそ2~4週間(できれば4週間)あけて2回目を接種します。高齢者の方も免疫が獲得されにくいため、2回接種をすることがあります。
詳しくは以下をご覧ください
インフルエンザに対する予防薬の投与について
ですから、一緒に住んでいる家族や同居人がインフルエンザに感染してしまい、患者を看病する必要がある場合などには、抗インフルエンザ薬の予防投与を検討すべきでしょう。
インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)は4種類。そのうち、点滴薬のラピアクタ(一般名:ペラミビル)を除いた3種類、すなわち、経口薬のタミフル(一般名:オセルタミビル)、吸入薬のリレンザ(一般名:ザナミビル)、吸入薬のイナビル(一般名:ラニナミビル)は、インフルエンザの予防に使うことが認められています。
抗インフルエンザ薬の予防投与を受けるには、原則として、(1)家族など同居する人がインフルエンザにかかっていることに加えて、(2)かかった場合に重症になりやすい人であること、具体的には以下のいずれかの条件に当てはまる必要があります。
【インフルエンザにかかった場合に重症になりやすい人】
- 65歳以上の高齢者
- 気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある
- 心不全など慢性の心臓病がある
- 糖尿病などの代謝性疾患がある
- 腎臓病がある
では、高齢者ではなく、基礎疾患もないけれど、入試の直前に家族がインフルエンザにかかってしまった……など、上記の条件に当てはまらないケースの場合、予防投与は受けられないのでしょうか。
この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。また、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。このため、個別の事情をどう受け止め、適応外処方の可否を判断するかについては、医師によって考えが異なります。まずはかかりつけの医師に、事情を説明し、相談してみましょう