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新型コロナ後遺症外来

新型コロナウイルス罹患後症状(後遺症)について

新型コロナウイルスに罹患した後にも、罹患後症状、いわゆる「後遺症」として様々な症状が出現することがあります。
WHO(世界保健機関)では「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」と、後遺症(post COVID-19 condition)について定義しています。
(これはあくまで定義なので、新型コロナウイルス感染後2か月経過していなくても、臨床的に同じような症状がでていればコロナ後遺症として扱って良いと考えます)

厚生労働省でも新型コロナウイルス感染症の罹患後症状として特設ページが組まれていますので、以下のリンクからご参照ください。

 

症状
当院でできる検査・治療について
治療方法

症状

  • 後遺症症状として多いのは、倦怠感(最多)、息切れ、気分の落ち込み、不眠、関節痛、咳などで、ほかにも後鼻漏、味覚障害、嗅覚障害、脱毛、微熱、頭痛、しびれなど様々な症状が確認されています。
  • 後遺症はどの患者さんにも発症しうる病態で、感染初期の重症度とは関連性はないとされています。
  • 発症頻度は様々な報告がありますが、海外では8人に1人くらいの確率で発症するという報告があります。軽症例を含めるとさらに多いのではないでしょうか。
  • 新型コロナウイルス感染後、新型コロナウイルスは治癒しているにもかかわらず数週間たっても体調が回復しない、倦怠感、疲労感が続くという症状に悩まされる事例があります。会社、学校に行くことが困難になるほどの症状、家事や育児ができないほどの状態というような、日常生活を満足にすごせないほどの症状に悩まされる方もいるほどです。

当院でできる検査・治療について

  • 採血(亜鉛、鉄、甲状腺機能など数種類。内科クリニックのように多くの種類の採血はできません。一般的にはコロナ後遺症の方は採血データには大きな異常が認められないケースが多いです。しかし、亜鉛不足は6割程度の方に存在すると言われています)
  • ファイバースコープ(鼻から入れる細いカメラです。この検査なしに上咽頭炎の確定診断をすることは不可能と考えています)
  • レントゲン、CT(副鼻腔炎の有無の確認します。自覚症状から上咽頭炎だと思っていたら、実は副鼻腔炎だったということが少なくありません。診察時に必要と判断した場合にのみ行います)

自分がコロナ後遺症とお考えの場合は、できれば最初はコロナ後遺症外来をうたわれている病院やクリニックを受診し、一通りの採血や検査を受けていただいたうえで異常がないことを確認した方が良いと考えています。当院は耳鼻咽喉科クリニックですので、総合病院や内科クリニックのような心電図や胸部レントゲン装置は置いてありませんし、できる採血も限られています。呼吸苦や動悸、倦怠感などの症状がある場合はまず内科での検査をお勧めしています。
一方で、後鼻漏、のどの違和感、咳などの症状は、コロナ感染によっておこる上咽頭炎が原因のことが多いので、我々の得意領域です。そういった症状のみであれば、最初から当院含めた耳鼻咽喉科を受診していただいてもよいと思います。
コロナ後遺症による上咽頭炎のみだとしても、倦怠感、頭痛、呼吸苦、嗄声などの多彩な症状が出ますので、患者さんはどこを受診すれば良いのか判断が難しいと思います。
後遺症専門外来を受診した方が良いかどうかわからない場合でも、当院を受診していただいて大丈夫です。
症状を伺い、他の医療機関の外来受診が必要かどうかは当院でも判断させていただきます。

治療方法

複数の病院でコロナ後遺症外来を設けて対応がなされていますが、残念ながら特効薬的なものは存在しません。西洋薬、漢方薬、鍼灸、リハビリなど複合的な治療で改善を目指していくパターンが多いと思います。そんな中で、多くの症状に有効性があると注目されてきているのが上咽頭に対するEAT(Bスポット療法)です。
コロナウイルスに限ったことではありませんが、鼻風邪やのど風邪を引き起こすウイルスは上咽頭や扁桃腺などのリンパ組織が豊富な部位に感染します。インフルエンザや他のカゼウイルスも同じような鼻やのどの症状を引き起こすのに、なぜ新型コロナウイルスばかりがこのように持続的な後遺障害をもたらすのか?それはよくわかっていません。
わかっているのは、後遺症患者の多くに上咽頭炎が存在する、上咽頭炎の持続は様々な症状を呈する、そして有効な内服薬がほとんどない、ということです。
上咽頭に対して直接薬(塩化亜鉛)を塗布するEAT(Bスポット療法)に関しては、コロナ後遺症に対する有効性が高いという報告が多く挙がっており、私も診療の中でそう感じています。
当院では、コロナ後遺症患者さんに対するBスポット療法を行っています。(もちろん投薬治療も行います)

EAT(Bスポット療法)ついて詳しく見る

EATも決して万能な治療ではありません。EATでコロナ後遺症が確実に良くなるという保証もありません。
しかし、コロナ後遺症と思われる症状に苦しまれていて、内科で薬を処方されたけれども改善がみられない方には是非試していただきたい治療法と考えています。

最後に、コロナ後遺症に関して、EAT(Bスポット療法)以外の治療法についてもヒラハタクリニックの平畑光一先生が、非常に詳しくまとめていただいておりますので、参考にしていただければと思います。

コロナ後遺症チートシート

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