扁桃炎
・扁桃炎とは
・扁桃炎の症状
・扁桃炎の分類
・溶連菌感染による扁桃炎
・扁桃炎の治療法
・お子様の扁桃炎
扁桃炎とは
「扁桃(口蓋扁桃)」とはのどの奥左右にある臓器であり、免疫機能を司るリンパ組織から成る組織です。主に鼻や口から細菌がやウイルスが気管や肺へ侵入するのを防ぐ働きをしています。
「扁桃炎」とは、扁桃が細菌やウィルスなどの感染により炎症を起こすことを言います。
扁桃炎の原因
原因となる代表的なウイルスには、アデノウイルスやRSウイルスアデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、細菌では、溶連菌やブドウ球菌などが挙げられます。
体が疲れている時や乾燥している時期、気温が急激に変化する時期に起こりやすいと言われています。
扁桃炎の好発年齢
扁桃炎は、子供から大人まで発症するといわれています。特に扁桃機能の発達する幼児~学童期の子供や、30歳代までの若い方に起こりやすいといわれています。
扁桃炎の症状
扁桃炎になると、扁桃が発赤し腫大します。喉の痛みや食べ物を飲み込むときの痛みに加え、高熱や寒気、頭痛、全身の倦怠感、関節痛などの風邪症状がみられます。熱は2~3日から1週間程度続くこともあります。
扁桃周囲には白い膿が付着している様子が見られることがあります。さらに炎症が周囲に広がると扁桃の周りに膿瘍(膿の溜まり)ができたり、されに首や胸の深部に到達してしまうこともあります。
扁桃炎の分類
扁桃炎には急に症状が出る「急性扁桃炎」と、これら症状を年に複数回繰り返す「反復性扁桃炎」に分けられます。
それ以外には、扁桃病巣感染症という特殊な病態もあります。
症状の程度や頻度によっては扁桃を摘出する手術が検討されることもあります。
溶連菌感染による扁桃炎
溶連菌感染による扁桃炎の場合、扁桃炎が原因となり、リウマチ熱・IgA腎症・心内膜炎など他臓器への影響が出る可能性があります。これを扁桃病巣感染症と呼びます。早期治療により、これらの合併症のリスクを下げることができると言われています。
治療の基本はペニシリン系抗生物質を10日間内服します。
扁桃炎の治療法
軽度の場合、まずは非ステロイド性消炎鎮痛剤や咳止めの投与などの対症療法に加え、十分に休養をとることが優先されます。原因が細菌と考えられる場合であれば抗生物質の投与も検討します。
重症で食事をとることが難しい場合や他に合併疾患がある場合は、点滴で抗生物質を使用することがあります。
重度のもののなかでも、とくに扁桃周囲の炎症が著しく、腫れの強いものは扁桃周囲膿瘍といいます。膿がたまった部分を切開して膿を取り除く外科的治療が実施される可能性があり、入院治療が必要になることも珍しくありません。
これらの場合当院より入院可能な施設にご紹介させていただきます。
お子様の扁桃炎
子どもが扁桃炎にかかったら無理をせず早めに受診することが大切です。ご自宅では水分補給を十分にし、休養をとるようにしてください。のどの痛みで食事が難しい場合はなるべく柔らかいもの、食べやすいものを工夫して摂取するようにしましょう。