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鼻茸(鼻ポリープ)とは?症状や治し方・原因・手術について

[2025.04.06]

鼻づまりや匂いを感じにくい状態が長引いていませんか?その症状、もしかすると「鼻茸(はなたけ)」かもしれません。鼻茸は鼻の中にできる良性のポリープで、適切に治療しないと徐々に大きくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。本記事では、鼻茸の原因や症状、治療法をはじめ、手術の方法や予防策まで、一般の方にもわかりやすく丁寧に解説します。

鼻茸とは

鼻茸(はなたけ)とは、鼻腔や副鼻腔(鼻の奥の空洞)にできる良性のポリープ(できもの)のことです。見た目がキノコのように鼻の中に垂れ下がるため「鼻茸」という名前が付いています。英語では「nasal polyp(ネーザルポリープ)」と呼ばれ、日本語でも「鼻ポリープ」と言われることがあります。

腫瘍(いわゆる悪性腫瘍=がん)ではなく命に関わるものではありませんが、放置すると徐々に大きくなって鼻づまりなどの症状が悪化する可能性があります。

鼻茸は主に慢性的な鼻や副鼻腔の炎症に伴って生じます。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)という副鼻腔の慢性炎症に合併するケースが多く、3ヶ月以上症状が続く慢性副鼻腔炎患者の約10~20%に鼻茸がみられるともいわれます。急性副鼻腔炎でポリープができることは稀ですので、鼻ポリープ見つけた時点で、それなりに副鼻腔炎に悩まされてきた経過があることが予想されます。

また、アレルギー性鼻炎(花粉症など)や、気管支喘息をお持ちの方(特にアスピリンなどの薬剤で喘息症状が悪化するタイプの方)も鼻茸ができやすいことが知られています。大人に多い病気ですが、子どもでも風邪から副鼻腔炎を起こしそれが慢性化することで鼻茸が生じることがあります。

鼻茸は鼻の中に1個だけできる場合もありますが、慢性の炎症が続いている場合は左右両方の鼻に複数できることもあります。小さい鼻茸は自覚症状がないこともありますが、炎症が続いてポリープが大きくなると様々な症状を引き起こします(詳しくは後述の「症状」の項目で説明します)。良性とはいえ日常生活の質を下げる原因となるため、適切な治療と対策が必要です。

鼻茸の原因

鼻茸ができる直接的な原因は、鼻や副鼻腔の粘膜に起こる慢性的な炎症だと考えられています。アレルギー反応や細菌感染などにより鼻粘膜に炎症が起こり、それが長引くことで粘膜が腫れあがります。炎症が続くと粘膜の一部がポリープ状に突出し、ぶよぶよした塊(鼻茸)を形成するとされています。ただし、なぜすべての副鼻腔炎患者に鼻茸ができるわけではないのか、その詳しいメカニズムは完全には解明されていません。

鼻茸を生じやすくする背景要因として、以下のような疾患や体質が挙げられます。

  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症): 鼻の奥にある副鼻腔に膿が溜まる炎症が長引く状態。鼻茸の最も一般的な原因です。

  • アレルギー性鼻炎: スギ花粉やハウスダストなどによる鼻のアレルギー。慢性的な鼻粘膜の炎症を引き起こします。

  • 気管支喘息: 特にNSAIDs(アスピリンなど解熱鎮痛剤)で悪化するタイプの喘息の方は鼻茸を合併しやすい傾向があります。

  • 好酸球性副鼻腔炎アレルギー性真菌性副鼻腔炎: 特定の炎症細胞(好酸球)や真菌(カビ)が関与する特殊な副鼻腔炎で、多発性の鼻茸が生じやすいとされています。

このように、鼻茸は様々な鼻の炎症性疾患に付随して発生します。そのため、鼻茸の治療では単にポリープを除去するだけでなく、根本原因となっている鼻の病気自体を治療することが重要です。原因疾患のコントロールが不十分だと、たとえ手術で鼻茸を取り除いても再発してしまうことがあります。

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鼻茸の症状

鼻茸が小さいうちは症状が現れない場合もあります。しかし、鼻茸が大きくなると、以下のような症状が現れることが多いです。

  • 鼻づまり(鼻閉): 慢性的に鼻が詰まった状態が続きます。片側または両側の鼻が通りにくくなります。

  • 嗅覚低下: においを感じにくくなったり、全く分からなくなったりします。特に嗅覚を感じる部分(嗅裂)が鼻茸で塞がれると起こります。

  • 鼻水や後鼻漏: 透明な鼻水が続いたり、副鼻腔炎を伴う場合は黄色や緑色の膿状の鼻水が出ます。鼻水が喉の方に流れ落ちる(後鼻漏)こともあります。

  • 顔面痛・頭痛: 副鼻腔に膿が溜まって圧力が高まると、頬やおでこあたりに痛みを感じることがあります。

  • いびき・口呼吸: 鼻で十分に息ができないため、睡眠時にいびきをかいたり口呼吸になったりします。日中も口で呼吸する癖がつくことがあります。

  • 鼻腔内の異物感: 大きな鼻茸になると、鼻の中に何か詰まっているような感覚を持つことがあります。場合によっては鼻孔からポリープが見えることもあります。

これらの症状は、慢性副鼻腔炎などの鼻炎症状と重なる部分が多く見られます。鼻茸がある人の多くは副鼻腔炎を併発しているため、鼻づまりや膿性鼻汁など蓄膿症状が続くケースが一般的です。特に嗅覚障害(においが分からない)は鼻茸によくみられる症状の一つで、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

なお、鼻茸そのものは柔らかい良性の組織で、痛みを伴うことはほとんどありません。鼻の中に強い痛みがある場合や、短期間で急速に腫瘤が大きくなってきた場合は、鼻茸ではなく腫瘍(しゅよう:鼻の粘膜の癌など)など別の病気の可能性も考えられます。このような症状がある時は放置せず、早めに耳鼻咽喉科で精密検査を受けることをおすすめします。

鼻茸の検査・診断

鼻茸が疑われる場合は、耳鼻咽喉科での検査によって診断が行われます。

前鼻鏡(鼻腔を広げる器具)を使い、鼻の中を目視で観察します。鼻茸が大きい場合はこれだけで確認できますが、わからない場合の方が多いです。

引き続いて、細いファイバースコープを鼻腔内に挿入し、より奥まで観察します。ファイバースコープ検査によって概ね判断できます。しかし、ファイバースコープでは副鼻腔の中までは覗くことはできません(副鼻腔は骨で囲まれているため、ファイバースコープの侵入経路がないからです)

さらに、正確な診断や治療計画のためにCTスキャンで、副鼻腔内の炎症の広がりや鼻茸の位置・大きさを調べます。CT検査は、手術を検討する際にポリープの分布や副鼻腔の構造を詳しく把握するのに役立ちます。また、まれに腫瘍など他の疾患との鑑別のため、鼻茸の組織の一部を採取して病理検査(生検)を行うこともあります。(※当院では病理検査は施行しておりません)

これらの検査結果に基づいて鼻茸と診断されれば、症状の程度や原因疾患に応じて適切な治療方針が立てられます。

 

鼻茸(鼻ポリープ)が気になる方は
ぜひ一度ご来院ください。

 

鼻茸の治療法

鼻茸は自然に消失することはほとんどないため、適切な治療によって縮小・除去する必要があります。治療方法は、大きさや症状の程度、原因となっている病気の有無によって選択されます。一般的には、薬物療法(内科的治療)で経過をみて、十分な効果が得られない場合に手術療法を検討します。

薬物療法(保存的治療)としては、炎症を抑えて鼻茸を小さくすることを目的に以下のような方法が行われます。

  • ステロイド薬の使用: 鼻に噴霧するステロイド点鼻薬を継続的に使用します。炎症を鎮め、鼻茸を徐々に縮小させる効果が期待できます。症状が強い場合は、短期間のステロイド内服薬が処方されることもあります(副作用に注意が必要です)。

  • 抗アレルギー薬の内服: アレルギー性鼻炎を伴っている場合、抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などの飲み薬でアレルギー反応を抑え、粘膜の炎症を和らげます。

  • 抗生物質の投与: 副鼻腔炎による細菌感染がある場合は、抗生物質(抗菌薬)を一定期間服用して膿を減らし、炎症を改善します。

  • 鼻洗浄・ネブライザー療法: 生理食塩水で鼻腔内を洗い流す鼻洗浄(鼻うがい)や、鼻から薬剤を吸入するネブライザー療法も有効です。粘膜の清浄化と薬剤の浸透を助け、症状緩和に役立ちます。

これらの内科的治療によって多くの場合、鼻づまりなどの症状改善や鼻茸の縮小が見込まれます。

しかし、薬物療法で十分な効果が得られない場合や、鼻茸が大きく空気の通り道を塞いでいる場合には、手術が検討されます。

手術療法については次の項目で詳しく説明しますが、手術後も再発予防のためにステロイド点鼻薬の継続や定期的な鼻のケアが重要となります。

鼻茸の手術(当院では手術は施行できません)

内科的な治療で改善しない鼻茸や、大きく成長して鼻呼吸を著しく妨げている鼻茸に対しては、手術による摘出が行われます。鼻茸の手術は、主に内視鏡下副鼻腔手術(ESS: Endoscopic Sinus Surgery)と呼ばれる方法で行われます。

内視鏡下副鼻腔手術では、全身麻酔(場合によっては局所麻酔)下で鼻の穴から内視鏡や器具を挿入し、鼻茸を切除するとともに、副鼻腔内の病変を治療します。鼻の外側に傷を作らずに行う手術で、ポリープだけでなく、その原因となっている副鼻腔炎の病変(膿や腫れて肥厚した粘膜など)も一緒に取り除きます。これにより、鼻茸による鼻づまりの改善はもちろん、副鼻腔の換気・排泄も良くなり、根本的な治癒を目指します。

入院期間や麻酔については、病院や症例の程度によって異なります。比較的小さい鼻茸のみを除去する場合は日帰りまたは短期入院で、局所麻酔で対応可能なこともあります。しかし多くの場合、慢性副鼻腔炎を伴う鼻茸では広範囲の処置が必要なため、全身麻酔で数日間の入院となるケースが一般的です。手術時間は程度によりますが、通常1〜3時間程度で終了します。

手術後は、鼻内部に軟膏やガーゼを入れて出血を防ぐ処置(鼻詰め)が行われることがあります。術後数日は鼻腔内に血が混じった分泌物が出たり、鼻づまり感が残ったりしますが、徐々に改善していきます。また、術後しばらくは定期的に通院して、鼻の中の掃除(処置)や炎症を抑える薬の継続が必要です。

鼻茸の手術は根本的な治療法ですが、再発の可能性もあります。特にアレルギー体質の強い方や好酸球性副鼻腔炎の方では、手術で一度きれいにしても時間の経過とともに再びポリープができてしまうことがあります。そのため、手術後も耳鼻科で経過観察を続け、医師の指示に従って点鼻薬の使用や必要に応じた薬物療法を継続することが大切です。

鼻茸の予防

鼻茸そのものを完全に予防する確実な方法はありませんが、鼻の炎症を長引かせないことが予防につながります。日頃から次のような点に注意すると良いでしょう。

  • 早めの治療を心がける: 鼻炎や副鼻腔炎になった際は放置せず、早めに耳鼻科を受診して適切な治療を受けましょう。炎症を長引かせないことで鼻茸の発生リスクを減らせます。

  • アレルギーのコントロール: 花粉症などアレルギー体質の方は、シーズン前から抗アレルギー薬を服用する、マスクの着用で花粉を避けるなど、アレルギー症状をしっかり抑えておきましょう。

  • 鼻のケア(鼻洗浄): 日常的に生理食塩水による鼻うがいを行い、鼻腔内を清潔に保つ習慣も予防に有効です。ほこりや花粉を洗い流せるほか、粘膜の潤いを保ち炎症を起こしにくくします。

  • 生活環境の改善: 部屋のほこり・ダニ・カビを減らし、空気清浄機や加湿器を利用して空気環境を整えましょう。タバコの煙は鼻に強い刺激となるため、喫煙者の方は禁煙を、非喫煙者の方も受動喫煙を避けるよう心がけましょう。

  • 定期的な検診: 過去に鼻茸を繰り返したことがある方や、慢性副鼻腔炎・喘息など鼻茸を生じやすい持病がある方は、定期的に耳鼻咽喉科で診察を受け、再発がないかチェックしてもらうと安心です。早期に発見できれば、薬物療法で悪化を防ぐことができます。

以上、鼻茸の原因・症状・治療法・手術・予防について解説しました。鼻茸は良性の病変ではありますが、放置すると嗅覚障害など生活の質に大きく影響する症状を招くことがあります。しかし、適切な治療とケアを行えば症状の改善や再発予防が可能です。

長引く鼻の不調や匂いがわからないといった症状にお悩みの方は、自己判断せず早めに耳鼻咽喉科専門医に相談して適切な対処を受けてください。

 

鼻茸(鼻ポリープ)が気になる方は
ぜひ一度ご来院ください。

 

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